南海トラフは東日本大震災の11倍 がれき処理の課題
編集委員 久保田啓介

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2015/2/14 7:00
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東日本大震災からまもなく4年。津波で生じた膨大ながれきが復旧の妨げになったのを教訓に、国が対策づくりに動き出した。南海トラフや首都直下で巨大地震が起きれば、被災地だけではがれきを処理しきれず、都道府県を越えた協力が欠かせない。ただ先の震災では放射能汚染を懸念する住民の反対などで受け入れが難航した経緯があり、これをどう乗り越えるかが課題だ。

駿河湾から九州沖を震源とする南海トラフ地震では、最大で東日本大震災の11倍にあたる3億5千万トンの廃棄物が生じ、首都直下地震でも同4倍近い1億1千万トンが発生する――。環境省の有識者検討会は昨年2月、巨大災害で発生する廃棄物の量をこう推計した。

巨大地震が起きれば、強い揺れや火災、地盤の液状化、津波などで多くの建物が全半壊する。それに伴い生じる木片、コンクリート片、金属くずなどが廃棄物になる。沿岸部では津波で運ばれた土砂(津波堆積物)も処理を迫られる。

廃棄物のうち木片などはごみ焼却場で燃やし、コンクリートや津波堆積物などは埋め立て処分する。だが既存の施設だけでは足りず、南海トラフ地震では地域ごとに処理すると可燃物の処理に6~8年、不燃物で20年かかる。首都直下地震でも関東の既存施設だけでは焼却に4年、埋め立てに最大26年かかるとした。

廃棄物が放置されれば救助・救援の妨げになり、仮置き場に保管中も火災や衛生悪化を招く恐れがある。早期の処理は欠かせない。その対策づくりで東日本大震災の教訓はどう生かせるのか。

先の震災では岩手、宮城、福島の3県で約3千万トンの廃棄物が生じ、当初は処理に10年近くかかるとみられていた。だが東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で復旧が遅れている福島県を除き、岩手、宮城両県では2014年3月までに処理をほぼ終えた。セメント業界などが廃棄物を大量に受け入れ、セメント原材料やボイラー燃料にするなど再利用が進んだことが大きい。東北の内陸部は被害が小さく、域内の自治体による受け入れも進んだ。

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