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新しい「稼ぐ力」で好循環を

貿易立国から投資・知的財産・観光立国へ――。2014年の経常収支はこんな日本経済の変化の一端を示したといえる。

経常収支はモノ、サービス、お金など海外との総合的な取引状況を示す。14年の経常黒字額は約2.6兆円と、現行統計が始まった1985年以降で最小となった。

輸入額が輸出額を大きく上回り、貿易赤字がふくらんだのが主因だ。原子力発電所の稼働停止を受け、火力発電に使う液化天然ガスの輸入が増えたのが大きい。

しかし、それでも経常収支が黒字を保ったのは、日本企業が海外子会社から得る配当・利子所得を示す「第1次所得収支」の黒字額が18兆円あまりと、過去最大になったからだ。

日本企業は海外での生産、販売を加速してきた。海外への直接投資や証券投資が大きな収益を生んでいることは、日本企業がグローバル化の果実をきちんと得るようになった現状を改めて示す。

14年の第1次所得収支の内訳をみると、海外への直接投資に伴う収益は約6.5兆円、このうち4兆円あまりを日本国内に還流させた。問題はこのお金をいかに賢く使うかだ。

先端製品をつくる国内工場への設備投資や研究開発投資を増やすことは、企業の稼ぐ力をさらに高めるのに不可欠だ。

企業が生産性向上にあわせて賃金や配当を増やしていけば、家計の所得増加を通じて個人消費を下支えするだろう。稼いだお金を現預金としてため込むだけでは、企業も、日本経済全体も持続的に成長できない。

14年の経常収支の変化は、サービス収支にもみてとれる。特許をはじめ知的財産権などの使用料の黒字額は過去最大となった。年間の訪日外国人旅行者が1300万人を超え、旅行収支の赤字額は過去最小となった。

こうした外国から稼ぐ新たな力をうまく使い、日本経済の好循環につなげる知恵を官民ともに出していきたい。

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