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STAPが問う理研の責任

STAP細胞をめぐる疑惑について、理化学研究所の調査委員会が最終的な報告をまとめた。STAP細胞とされた細胞は別の万能細胞(ES細胞)が混入したものだとほぼ断定した。ただ、混入が意図的だったのか過失によるのかは判断できないとした。

報告は外部の専門家が残った試料を詳細に分析してまとめた。小保方晴子氏らの発見は誤りだったとの結論で、ほぼ決着したといえる。問題が論文の不正にとどまらず、研究全体の信ぴょう性にかかわることを示した点でも、これまでの報告より踏み込んだ。

なお謎は多い。調査委は研究室の関係者から聞き取り調査したが、全員が混入を否定したという。誰が混入したか、故意か過失かは「調査委の能力と権限に限界がある」として結論を見送った。

報告は小保方氏の上司だった若山照彦山梨大教授や故笹井芳樹氏の責任についても「データの検証を怠った」と厳しく指摘した。だが理研が組織としてなぜ不正を見逃したのか、なぜ成果を大々的に広報したのか、などは調査の範囲外で、いまだ釈然としない。

理研は今回の報告で調査を打ち切る。笹井氏の自殺もあって、真相の究明が難しい面はあろう。だが少なくとも小保方氏や若山氏らへの聴取を続け、公の場で説明を求める責任が、理研にはある。

これまでの調査が後手にまわったことも否めない。問題が表面化した今春の時点で、ES細胞が混入している疑いはすでに指摘されていた。だが理研が本格調査を始めたのは9月になってから。その後も、科学的には意味が薄い小保方氏本人による検証実験を進めるなど、真相究明は迷走した。

研究管理が適切だったかなど、理研の組織のあり方に加え、不正が起きたときに適切に対処する危機管理能力も問われている。

報告を踏まえ理研は小保方氏ら関係者の処分を決める。それまでに、残る問題点を徹底的に洗い出し、再発防止策を示さないと、失った信頼は取り戻せない。

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