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再生エネ拡大にブレーキをかけすぎるな

電力会社が契約を中断する事態になった再生可能エネルギー買い取り制度について、経済産業省が見直し案をまとめた。今のように太陽光だけが突出している状況は改めるべきだ。だが逆にブレーキがかかりすぎないように、丁寧な見直し議論が欠かせない。

買い取り中断は、太陽光発電を計画して国の認定を受けた事業者が急増したために起きた。九州電力では太陽光の計画分が1800万キロワットを超え、夏のピーク時の電力需要を上回る。同社は「すべて受け入れると停電などが起きかねない」とし、東北電力など4社とともに新規契約を保留した。

経産省はこれを受け、電力会社ごとに再生エネルギーの受け入れ可能量を試算し、制度の見直し案を示した。事業者に適用される買い取り価格の決め方を改めたり、電力会社の判断で発電を制限しやすくしたりする。来年1月中にも運用を見直すという。

買い取り制度は電力の消費者の負担によって成り立っている。消費者の負担を極力抑え、持続的な制度にしなければならない。

経産省の案にはなお再考すべき点が多い。まず再生エネルギーの受け入れ可能量を過小評価していないか。同省の試算では九電で900万キロワット、東北電で750万キロワットなどとした。この試算は原子力発電所が東日本大震災前と同じ稼働率で運転することが前提だ。

原発の再稼働の行方はなお不透明で、その状況によっては再生エネルギーの受け入れ量は増える。電力会社同士で電気を融通し、天候による太陽光発電の変動を調整すれば、再生エネルギーの受け入れ余地はさらに広がるはずだ。

太陽光発電が急増したのは、買い取り価格が事業者に有利に定められ、早く認定を得ようと申請が殺到したことが大きい。経産省は認定段階ではなく、契約時の買い取り価格を適用することを検討している。これは妥当だろう。

一方で、電力会社が太陽光発電を制限しやすくする措置は再考が要る。今も年30日までは事業者への補償なしで発電停止を求められる。これを30日を超えて拡大できるとしたが、電力会社の都合で制限が広がる懸念は拭えない。

風力や地熱などを含め、再生エネルギー全体をバランスよく伸ばすにはどうするかなど、ほかにも検討が必要な点は多い。太陽光偏重を是正するだけでなく、長期的な視点で制度を見直すべきだ。

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