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春秋

「消費税は所得が多い人にも少ない人にも等しくかかるからね」「でも、国の借金を放っておいちゃいけないじゃない」。地下鉄に乗っていたら、こんな会話が聞こえてきたので驚いた。話の中身ではなく、声の主にである。カバンを背負って、半ズボンをはいていた。

▼どう見ても小学校の5、6年生といったところだ。毎日、衆院選のニュースに目をこらし、学校や家庭でも「議論」しているのだろうか。思えばいま行う選挙の結果は、この子たちが大人になるころの社会へとつながっていく。国の財政のあり方を真面目に話す2人を見ていて、なんだか申し訳ないような気持ちになった。

▼法律の世界に「権利の上に眠るものは、保護に値せず」という格言がある。民事上の時効を設ける理由の一つとされるものだ。おカネを貸したのに、請求する権利を行使しないままでいるのなら、その貸しはなかったことになる。衆院選の投票率が戦後最低に落ち込むとの懸念を聞けば、この格言が胸に迫ってくるようだ。

▼無風だろうが、大義がなかろうが、投票しなければなにも始まらない。有権者の半数ほどしか参加しない選挙であるなら、「政治に関心がないので、適当にお願いします」が第1党ということになってしまう。投票権があるのに眠り続ける人たちは、政治の側からはすでに「保護に値しない」と思われているかもしれない。

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