自助努力かなえ非正規増に歯止めかけよ

2014/12/6付
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10月の有効求人倍率が1.1倍と22年ぶりの高い水準にあるなど、雇用は改善がみられる。だが大きな問題がある。雇用増が、正社員に比べ賃金の低い非正規労働者に偏っていることだ。

非正規で働く人の処遇改善の後押しや、正社員になりたい人が希望をかなえやすくなる環境づくりに力を入れなくてはならない。中身のある対策を打ち出せているか、各党は問われる。

総務省の労働力調査によれば非正規労働者の比率は2002年に30%を超え、今年10月は37.5%。その数は1980万人と、この10年で約400万人増えた。

非正規で働く人の増加に歯止めをかけ、正社員化などで収入増を促すことは、消費を活発にしデフレから抜け出すためにも必要だ。結婚や出産に踏み切りやすくなれば少子化対策にもなる。

求められる政策は何か。処遇向上も正社員化も、その人自身が技能を高め、生産性を上げることが前提になる。職業訓練の充実など能力開発支援は一段と重要だ。

身につけた技能を生かせ、賃金のより高い仕事に移りやすい仕組みも整えなければならない。そうした柔軟な労働市場づくりのカギは民間の活用だ。例えばハローワークの職業紹介業務の民間開放を進めれば、民のノウハウで企業と求職者の橋渡しを強化できよう。

要は自助努力のかなう国にすることだ。自民党はキャリア形成支援などで正規雇用への転換を促す「正社員実現加速プロジェクト」を掲げる。ただ中身はあまり明確ではない。肉付けが要る。

民主党や維新の党、次世代の党などは「同一労働、同一賃金」によって非正規労働者の処遇を改善するとしているが、能力開発や労働市場の整備のための具体策を十分に説明してほしい。

社民党や共産党は派遣労働の制限を主張する。しかし派遣で働きながら、その分野の知識や技能を身につけられる面がある。派遣労働を職業能力を高める機会として考えられないか。

人口減で労働力は貴重になる。一人ひとりがより高い技能を身につけ、生む付加価値を増やすことは、本人の待遇向上だけでなく経済活性化のためにも求められる。労働力不足時代の人づくりを各党はしっかり語ってもらいたい。

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