2019年8月26日(月)

汚染水対策に確かな二の矢を

2014/11/29付
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東京電力は福島第1原子力発電所の地下道(トレンチ)の止水工事が思うように進まないことから、汚染水を地下道から抜き取る作業手順に変更を加えた。止水をしないまま特殊なコンクリートを注入して、地下道を埋めて水を抜き取る方式にする。原子力規制委員会も変更を了承した。

地下道からの汚染水抜き取りは海の汚染を防ぐうえで重要な作業だ。前例のない工事で、完全に水を抜き取れるかはやってみないとわからない面もある。作業員の被曝(ひばく)リスクも伴う。安全に最大限の配慮をしつつ慎重に作業を進めてほしい。

2、3号機の海側にある地下道には約1万1千トンの高濃度の汚染水がたまり、地震などで海に漏れ出す危険が指摘されてきた。また今後、地下凍土壁を築いて原子炉建屋への地下水の出入りを防ぐためにも、建物につながる地下道の止水は不可欠だ。

東電は地下道と建屋の接続部で水を凍らせて流れを止めてから水を抜き取る計画だった。しかし建物からの流れを完全に止めることができなかった。このため水中で固まる特殊なコンクリートを少しずつ充填し、底部から固めつつ水を抜くやり方に切り替えた。

地下道いっぱいにコンクリートが詰まれば、汚染水は流れ込まなくなる。ただ地下道は場所によっては約80メートルもの長さがあり、これほど大きな規模で特殊コンクリートを使うのは前例がない。

汚染水対策は原子炉建屋などへの地下水の流入を減らす対策と、建屋から出る汚染水を安全にためておく対策に大別できる。

地下道の汚染水をなくし凍土壁を築けば流入対策は前進する。貯蔵についても、汚染水から放射性物質を取り除く浄化装置が動き始めた。汚染度を下げてタンクにためることが可能になりつつある。

東電の広瀬直己社長は来年3月末までの汚染水の浄化完了を「公約」している。公約は公約として、焦ることなく着実に進める必要がある。

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