2019年8月26日(月)

成長に資する企業統治指針を

2014/11/27付
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金融庁と東京証券取引所が企業統治の指針作りに動いている。株式市場から見た上場企業の経営の透明度を高めるのが狙いだ。年内にも中身を詰め、2015年からの適用を目指す。

一般に、株主の声に耳を傾ける企業は、そうでない企業に比べて収益力が高いとされる。企業が収益力を高めれば、投資や雇用を増やす余地も広がる。日本経済の活性化に資する企業統治の指針を確立するときだ。

金融庁と東証は市場関係者からなる有識者会議を設け、8月から指針作りを進めてきた。これまでに示された案で注目されるのは、上場企業に2人以上の社外取締役を選任するよう促す項目だ。現状では社外取締役を1人だけ選任する上場企業が多いが、企業統治指針は2人以上と数値を示すことにより、高い規範を課す。

外部の意見が経営に伝わりやすくなるという点で、社外取締役の複数選任は望ましい。多様な人材を迎えることにより、取締役会の議論が活発になるといった効果も見込まれる。

しかし企業が取引先やOBなど利害関係者から取締役を選ぶようなことになれば、2人以上という数値基準を満たしたとしても、企業統治の実効性は高まらない。社外取締役の独立性の要件を指針に明記する必要がある。

社外取締役の複数選任と並んで重要と見られるのは、株式の持ち合いについて企業に説明責任を求めている点だ。株式持ち合いは買収防衛策として乱用される懸念があるうえ、資本の効率利用の面からも問題含みだ。企業は合理的に説明できない保有株式を売却し、得た資金を投資や配当・自社株買いに回すべきだ。

このほか指針には女性の活用や役員報酬の決め方の開示などが盛られる見通しだ。指針は義務ではないが、順守しない企業は理由を明らかにしなければならない。自社に適した企業統治の型を選び、それを株主に伝える力が経営者に必要とされている。

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