2019年9月21日(土)

企業は一段の成長に向け投資の加速を

2014/11/16付
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上場企業の2014年4~9月期決算が出そろった。これまでの本紙集計では、本業の稼ぎに金利の受け払いを加えた経常利益が前年同期より約10%伸び、上期として最高水準となった。

15年3月期通期の経常利益は前期に比べ3%増え、リーマン・ショック前の08年3月期の最高益と肩を並べる見通しだ。日銀の追加金融緩和を受けた円安が、早くから合理化に着手した企業の業績拡大を後押ししそうだ。

しかし個人消費は回復が遅れ、新興国の成長も鈍るなど、国内外で懸念材料は多い。経営環境が不透明さを増すなか、企業は成長戦略を加速させる必要がある。

金融危機後の日本企業は不採算事業の縮小・閉鎖や、M&A(合併・買収)を活用した国際展開などにより、収益力の回復をはかってきた。そうした努力の成果は決算に確実に表れている。

リストラの成功例の1つはパナソニックだ。プラズマテレビなど不振事業からの撤退を進めたことにより高コスト構造が改まり、今期は15%増益を見込む。M&Aが業績に寄与した例としては、12年に米住宅用空調大手グッドマン・グローバルを買収したダイキン工業があげられる。

全体として企業業績の底上げが進む一方で、収益が低迷する企業も目立つなど、二極化の傾向も出ている。ソニーは上期にスマートフォン事業で損失を計上し、帝人はシンガポール工場などの閉鎖に伴い、通期で200億円の最終赤字を見込む。

業績がさえない企業に共通するのは、中国をはじめとする新興国の企業との価格競争に押されていることだ。コスト削減や商品の絞り込みといった対応も、必ずしも迅速ではなかった。国内外の競合相手との収益力の格差を縮めるために、今後は聖域を設けることなく事業の選択と集中の速度を上げなくてはならない。

業績拡大が軌道に乗っている企業も成長のための先行投資を怠るわけにはいかない。北米事業の好調で今期の純利益が2兆円台に乗る見通しのトヨタ自動車は、環境・安全分野などへの研究開発費を従来計画から200億円増やし9800億円とする。

日銀の追加緩和は海外投資家の日本への関心を再び高めることにつながった。投資資金の流入を確かなものとするためにも企業は強さを磨く必要がある。

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