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温暖化抑止へ米中の責務重く

米国と中国が温暖化ガス排出削減の目標をそろって打ち出した。自主目標とはいえ、両国が将来の削減に前向きな姿勢を明確にした点は評価できる。

しかし、これで十分とはいえない。米中両国は合わせて世界の温暖化ガスの約4割を出しており、温暖化の抑止は両国の決意と実行にかかっているからだ。

米中の目標は北京での首脳会談の成果として発表された。温暖化対策が米中の「協調」を演出する格好のテーマになった印象だ。

オバマ大統領は温暖化問題に関心を持ちながら国際交渉などで手腕を発揮できていない。中国を巻き込んだ動きの背景には、この問題で実績を残したい大統領の強い思いがあるようだ。

国連は来年末までに2020年以降のポスト京都議定書の新枠組みをつくる予定で、交渉は大詰めに近づいている。米中は現行の京都議定書の下では削減義務を負ってこなかった。二大排出国としての責任を自覚し温暖化ガスを減らす仕組みづくりを主導するよう、両国には強く求めたい。

今回発表した目標も慎重な吟味を要する。中国は30年ころをピークに排出量を減らすとしたが、ピークまでどれほど増えるか、見通しも目標も示していない。

現在の中国の排出量は年間約80億トンだが、30年までに20億~40億トン増えるとの試算がある。増加分だけで日本の総排出量(約12億トン)を大きく上回りかねない。

米国は25年までに05年比で26~28%減らすとした。だが米議会では温暖化対策に消極的な共和党が多数を占める。確実に排出を減らせる対策を練り上げて実行するには、オバマ大統領が強い指導力を発揮する必要があろう。

日本政府は原子力発電所が何基稼働するのか見通しがたたないことを理由に、20年以降の削減目標づくりを遅らせてきた。欧州連合(EU)は10月にいち早く目標を決定しており、日本は主要国の間で出遅れ感が強い。国内の議論を加速する必要がある。

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