2018年8月22日(水)

何を問う解散なのかを明確にせよ

2014/11/13付
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 安倍晋三首相が早期の衆院解散・総選挙を視野に動き出した。自民党幹部に「年内も選択肢」と伝えたという。重要なのは、衆院の任期半ばで解散して、何を問うかだ。与野党の論戦がかみ合わなければ、有権者も1票の投じようがない。選挙をするからには争点をはっきりさせる必要がある。

 首相は表向き、解散時期を明言していないが、与党の自民党と公明党は30日までの今国会の会期中の解散、12月中の衆院選を想定してすでに選挙準備に入った。

 首相が外遊から帰国する17日以降に政府・与党の方針を詰める場がもたれる見通しだ。想定通りであれば、2012年12月末の第2次安倍内閣発足から2年足らずで国民の審判を仰ぐことになる。

 衆院議員の任期は4年である。折り返し点以前の解散はこれまでもないわけではないが、内閣不信任決議の可決を受けた1953年のバカヤロー解散、80年のハプニング解散のような政局混乱に伴うものが多い。

 与党が衆参両院で多数を占め、目立った党内抗争もない政治状況のもとでの早期解散はかなり異例といってよい。それだけに、首相が本当に早期解散に踏み切るのであれば、国民にわかりやすく理由を説明する義務がある。自民党の谷垣禎一幹事長も解散には大義名分がいるとの考えを示している。

 首相に近い筋からは「支持率が比較的高いうちに選挙をした方が勝てる」「いまなら野党はばらばらだ」など政局絡みの発言が出ている。政治は権力を争うものであり、いつ選挙をするのが有利かの判断力は政治家の重要な資質の一つだが、党利党略があまりにむき出しでは国民もそっぽを向く。

 首相が来年10月に予定される消費税率の8%から10%への引き上げを延期し、その是非を問う。政権内にはこうした構想がある。自公両党と民主党による3党合意を変更するうえで国民の信を問うのは一つのやり方だ。

 ただ、耳によい話だけ聞かされても困る。その場合、日本の財政や社会保障はどうなっていくのか。そこに向けてアベノミクスはどんな手を打つのか。消費税率は今後、どう上げていくのか。しっかりした将来像を提示しなければならない。

 同じことは野党にもいえる。民主党は政権交代後も重要政策の軸足が定まらない。このままで解散を受けて立てるとは思えない。

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