2019年1月20日(日)

春秋

2014/11/9付
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増える認知症に新ビジネスや新商品で立ち向かう。そんな取り組みをしている企業の事例発表会がおととい都内で開かれた。製薬会社など医療産業だけではない。高齢者と会話するロボットの開発、宅配便会社の見守りサービスと、さまざまな業界が知恵を絞っている。

▼ある不動産会社は、自社が手がける住宅地に学童保育と高齢者用グループホームが同居する施設を建てた。小さな子供を日々身近に見ることで、お年寄りたちが刺激を受け元気になる。また「将来、介護分野で働く若い人が増える。小さいうちから高齢者とふれあっておくのは、子供たちにもプラス」と担当者は説明する。

▼狙いどおり、子供たちはお年寄りたちが過ごす部屋にふだんから出入りし、双方に自然な笑顔が生まれているという。この施設、計画した当初は地元自治体の認可がなかなか下りなかったそうだ。「前例や実績に乏しい」「何か事故があったら」といった理由らしい。開設から7年以上たつが、現実に問題は起きていない。

▼企業の発展には論語と算盤(そろばん)、つまり倫理と利益の両輪が必要だと渋沢栄一は言った。認知症ビジネスも両輪を備えた企業活動だ。使う人の心をくみ、挑戦と修正を繰り返していいものに仕上げるのは企業の得意技。増える認知症に官だけで対処すればコストがかさみ、満足度は下がる。企業の力と熱意を大いに生かしたい。

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