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コロナ禍のふるさと納税プラットフォーム 広がる選択肢 自治体・利用者結ぶ

奔流eビジネス (通販コンサルタント 村山らむね氏)

NIKKEI MJ

ふるさと納税の利用が年々増えている。2008年から始まったこの制度。20年度は、約6725億円となり、実際の控除利用者も552万人となった。ふるさと納税のプラットフォームも多く出てきており、各社、使いやすさや選びやすさなど、個性が出てきているようだ。

ふるさと応援サロンでは奄美博物館の学芸員によるクイズも行われた(正解は2)

その1社、「さとふる」の取り組みが面白い。昨年から自治体と利用者をつなぐオンラインコミュニティー「ふるさと応援サロン」を実施している。

今年は熊本県小国町と、鹿児島県奄美市の応援サロンを実施した。後日、奄美の応援サロンの様子の録画を見せていただいたが、さとふるの井田尚江さんがMCを務め、奄美市総務部の高槻真由美さんが奄美の魅力を伝えたり、奄美市立奄美博物館からの中継では学芸員平城達哉さんがクイズ形式で奄美の自然を教えてくれたりするなど、非常に充実していた。

この応援サロンは、さとふるが扱っている自治体に声をかけて無償で実施している。昨年は返礼品をよく知ってもらおうという、モノに焦点が当たったイベントだったが、今年はより観光や人に重心を移したイベントとなった。さとふる取締役兼最高執行責任者(COO)の青木大介氏は「もともと地域貢献をしたくて入社した社員が多いので、社員の評判も非常によかった」という。

一方、「世界自然遺産に登録されることが現実的になった段階で、さまざまなPR方法を模索、その一つとして、さとふるさんの呼びかけに応じることにした」と奄美市の高槻さん。「アンケートでも『行ってみたい』と言う気持ちがあふれたものをいただき、やってよかった」

さとふるの青木氏は「地域が自分たちの物産や観光について、マーケティング的な意識を持ったことが、このふるさと納税の一番の収穫であると思う」と言う。各自治体にとっても、納税額を競うことは何より重要だが、それと同時に関心量や実際の関わりの量の変化に関しても、評価することが大切になってくると思う。

実は私自身は居住するさいたま市に全額納税したいために、このふるさと納税の仕組みを使ったことがない。私にとっては、埼玉県さいたま市が、まぎれもないふるさとだからである。

むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

ただ、コロナで苦境に陥る地域経済に貢献したいという思いはある。私のように税控除や返礼品には興味はないが、利他的なカジュアルな寄付やクラウドファンディングならやってみようかなという人も増えてきているようだ。

それに呼応する形で、最近増えているのが、クラウドファンディング型のふるさと納税だ。使途を明確にして寄付金を募集しているもので、返礼品がある場合もある。さとふるでも、現在、20ものプロジェクトが募集を行っている。

顔の見えるオンラインコミュニティーや、返礼品だけではなく寄付要素の強いクラウドファンディング型ふるさと納税。地域応援のさまざまな選択肢が、ふるさと納税のプラットフォームで実現されていることを知り、いよいよ私も、「ふるさと納税」的なことをやってみようかと思う。といいつつ、奄美市の71万円の寄付の返礼品である大島紬の美しさが頭を離れない今日この頃。

[日経MJ2021年9月24日付]

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