永山治(30)世代交代
海外支社で経験積ませる 「夢なき者に成功なし」託して
[有料会員限定]
私は当初、経営は60歳までと考えていた。ロシュとの資本提携もあり70歳を超えてしまったが、後継者のことは常に考えてきた。リーダーシップがあり、ロシュとのアライアンスの利点を理解し、ロシュ経営陣ときちんとコミュニケーションをとれる人だ。
私のすぐ後を継いだ小坂達朗会長は、ロシュとの提携交渉の責任者の役割を果たし、私と一緒に仕事をしてきたほぼ同一世代だ。本当の世代交代は小坂会長の次から始まる。担い手...

スイスの製薬大手ロシュ傘下ながら、「自主経営」を貫き時価総額で国内製薬トップに立つ中外製薬。同社で外資との提携を決断したのが永山治さんです。少年時代には、吉田茂の懐刀で、父・時雄氏と交流のあった白洲次郎氏に刺激を受けます。「苦労知らずのぼんぼん」と自らを称しますが、ときに大胆な行動に出ます。ソニー、そして東芝の取締役会議長も務めた永山さんが半生を振り返ります。