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展望デッキで「宇宙」体感 みさと天文台(和歌山県紀美野町)

おもてなし 魅せどころ

NIKKEI MJ

大阪から車で約2時間! 肉眼で天の川に会える、奇跡の星空スポット――とアピールする和歌山県紀美野町のみさと天文台。七夕の7月7日、1年間の大規模改修を終え、満を持してリニューアルオープンした。ただし長引くコロナ禍で、当面は人数を制限した予約制の施設見学会のみ。その分じっくりゆっくり施設と星空を楽しめる。

「この望遠鏡の鏡面の精度は10万分の1ミリと日本一。コロナウイルスの大きさの10分の1まで磨いてあります」。山内千里天文台長が見学者に説明する。みさと天文台の天体望遠鏡には、2002年度の「現代の名工」にも選ばれた苗村敬夫さんが磨いた「苗村鏡」が使われている。口径は105センチ。「1メートルを超える苗村鏡は作製に1年かかる。他ではほとんどお目にかかれない」(山内台長)自慢の品だ。

標高430メートルの山中にある天文台の特徴は、「ライブ解説を25年間貫いてきた」(山内台長)こと。丹念な説明が好評で25年間に約55万2200人を集めたが、近年は設備の老朽化もあり来館者は減少傾向にあった。そこで設立から四半世紀が経過したのを機に設備をグレードアップした。

苗村鏡に肩を並べる新たなセールスポイントは新設した45メートルの大型展望デッキ。視界が大きく広がり、「提案した地元の人がデッキ上で『こんな天ノ川、初めて見た』と叫んだ」(同)ほどの星空が迫ってくる。

観測ドームのある「星の塔」のベランダには、外に向け9台のプロジェクターを設置した。大型展望デッキを含めた庭全体にプロジェクションマッピングによる星空を投映できる。南半球の星空を投映すれば、ベランダから見る上空に広がる北半球の星空と相まって、宇宙空間にいるような感覚を体験できるようになるという。

さらにプラネタリウム棟「宙の学舎(そらのまなびや)」を新設。投映スクリーンの直径が従来より2倍大きい8メートルに、解像度は面積比で4倍になった。よりリアルな星空が映し出される。

望遠鏡をのぞき込むだけでなく、美しい星空全体を観察する楽しみもアピールしている。天文台内での結婚式を受け入れたり、いれたてのコーヒーを楽しめたりする観望会「天の川が見えるカフェ」を開くようになった。ロマンチックな場所という認識が広まり、ここ数年は女性を中心に来客が戻りつつあるという。

今回、併設する3棟のバンガローも、「一晩中満天の星空を」というコンセプトでテラスを大型化するなどリニューアルした。予約制の施設見学会を重ねることで準備は万全。「早くフルスペックで営業したい」と山内台長はコロナ禍が落ち着くのを待っている。

(和歌山支局長 上野正芳)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2021年8月30日付]

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