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フェムテックへ高まる関心 経営や商品開発に女性視点を

奔流eビジネス (通販コンサルタント 村山らむね氏)

NIKKEI MJ

東京五輪でドイツの女子体操選手チームが肩から足首まで覆う「ユニタード」と言われるボディースーツを選択し、性的な視線への抗議を示し注目を集めた。

Well-Womanの発足イベント

一方で、五輪直前に開催されたビーチハンドボール大会でビキニを着用しなかったノルウェー選手には罰金が課された。女性たちが自分たちが着用するものを自由に選べるまで、あとまだもう一歩必要だ。

ジェンダーニュートラルの議論が社会的性差による不自由からの解放だとすると、フェムテックは女性の身体の我慢の解消だろう。

フェムテックとは、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する商品やサービスのこと。まず海外で投資対象として大きな注目を得てきたが、最近では消費者実感に基づく議論がなされている。SNSなどで今までなかなか声を上げづらかった不快感や違和感を、気軽に表現できるようになったこと、また賛同を得やすくなったことが大きく影響しているだろう。

女性視点マーケティングの第一人者であり、ハー・ストーリィ(東京・港)の代表取締役の日野佳恵子氏は言う。

「現在のフェムテックはテックによりすぎだ。ただ、テックとつけたことにより、意思決定の場にある男性に関心を持ってもらえたことは評価したい。今後は女性の健康理解を女性たち自身はもちろん、企業・自治体など、あらゆる組織で男女ともに進めていく契機として根付いていってほしい」

日本の代表的なフェムテックの事例としてはまず、女性向け健康情報サービスの「ルナルナ」があげられよう。アプリのダウンロード数は累計1600万以上を誇る。

このほかフェムテック商品を扱うフェルマータ(東京・品川)は、リアル・オンラインの両方を活用したコミュニティイベント「フェムテックフェス」も開催している。サンルイ・インターナッショナル(東京・目黒)は代表の森田敦子氏が商品をキュレーションしたイベントを伊勢丹新宿店(東京・新宿)で開催。様々な企業活動や取り組みにより、フェムテックがマーケットとしての市民権を獲得するようになった。

むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

前述の日野氏は、「フェムテック異業種共創プロジェクト」として「Well-Woman」を立ち上げた。フェムマーケット視点を経営や商品開発にいかせる人財の育成を目的にしている。

全6回のプログラムの前半では、異業種交流でビジネス視野を広げ、フェムテック理解を深める。後半では「健康経営コース」「商品企画コース」と分かれ、女性の健康課題を解決するための「健康経営」とはなにか、ビジネス創出につながる「商品企画」はどのようなものか、フェムマーケット市場における課題を見据えてディスカッションや討議を重ねるという。10社募集したところ現在12社が参加。すでに次期募集を検討しているという。

ジェンダーニュートラルとフェムテック。社会的な我慢と、肉体的な我慢、それぞれからの解放。社会に押し付けられた「女性らしさ」と、生まれ持った「女性らしさ」。それを乗り越えて女性それぞれが「自分らしさ」を追求できるようになり始めたことを素直に喜びたい。

[日経MJ2021年8月27日付]

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