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金箔の美、五感で体験 箔巧館(金沢市)

おもてなし 魅せどころ

NIKKEI MJ

石川県を代表する伝統工芸の金箔や銀箔など多彩な「金沢箔」。金沢駅から車で15分ほどの場所に、有力メーカーの箔一(金沢市)の本社がある。その魅力を五感で伝えようと、2002年に設けた観光施設が箔巧館(金沢市)だ。

黄金に輝くよろいかぶとの前は撮影スポットになっている

目玉が金箔を1万枚以上貼りつめた地下1階の「金箔の間」。戦国大名の前田利家が好んだという黄金の鎧(よろい)や兜(かぶと)がある。史料をもとに忠実に再現したもので、現在の前田家当主のお墨付きを得ている。18年の大規模改装の後、プロジェクションマッピングを上映できるようになった。利家が華々しく金沢城に入る姿などを楽しむことができる。

全国の金箔の生産量の99%以上を占めるという金沢。職人の手によって1万分の1ミリまで薄くなり、かざすと反対側が透けて見える。その高い品質を実物や映像などで紹介した展示が目立つ。

同社の広報担当者は「箔の薄さや美しさを体感できる箔貼り体験もしてほしい」と話す。小物入れや手鏡などを選び、好きな図柄の箔を貼っていき、完成品が土産にもなる。子どもたちにはウサギやお花の柄、海外からの観光客は遠山や鶴などがそれぞれ人気を集めているという。

石川県外から訪れた20歳代のカップルは「お箸の金箔貼りをやってみたが、扱いが予想以上に難しかった。少し失敗してしまったが、それも旅の思い出になった」としている。

箔を切りそろえる「箔移し」体験もできる。竹のピンセットで箔を手元に移し、息を吹きかけて平らにし、竹の枠で上下左右を切りそろえる。くにゃっとなっても息を吹きかけると、元に戻る。箔の薄さを体感できるのが売りで、動画を撮影しながら体験する人もいるという。

2階のギャラリーでは、屏風画や掛け軸、アートパネルといった職人が手掛けた創作工芸を見学できる。1階には、あぶらとり紙やコスメといった商品を扱う売店がある。1階のカフェでの金箔ソフトクリームなどを味わうこともできる。

20年12月、金沢箔の伝統的な製造技法を含む「伝統建築工匠の技」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。同社の広報担当者は「海外の方は金への関心が高い」と話す。東京五輪後でもあり、メダルの最高位の金に対する憧憬も追い風にして、コロナ収束後の海外客の来訪にも期待を寄せている。

(金沢支局長 石黒和宏)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2021年8月15日付]

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