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再考、「近ごろの若者は」

SmartTimes PwCコンサルティングパートナー 野口功一氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

最近、自社の若手社員からインタビューを受ける機会があった。内容はリーダシップについてや、私のキャリアに関するもので、ポジションが上がるにつれてどのようなことに気をつけてきたかなどであった。

時代背景もビジネス環境も組織のあり方も、働くということへの意識もものすごいスピードで変化している中で、そのような話がどれくらい役に立つのであろうか。もちろん、全く役に立たないということはないし、聞き手も真摯に聞き、自分の仕事に生かそうと思っているに違いない。

しかし、もっと未来志向の話を聞いてもらいたいという気持ちが強く、自分の経験は役に立たないというトーンで話をしている。

昔から、若い人は年配者に「近ごろの若者は」と言われてきた。自分たちも若い頃は同じように言われていたはずなのだが、今は自分が言う立場になっている。しかし、私が思うのはむしろ彼らは私の若い頃よりもしっかりしているのではないかということだ。

特に、「社会」に対しての関心が高いことには本当に感心する。環境問題や貧困、教育などにおける社会課題に関心のある人が多くなってきているのだ。

そうなると、やりがいも変わりつつあるだろう。仕事の面白さ、自分のスキルアップ、報酬に対してモチベーションを感じる人もいるだろう。しかし、社会課題など利己的ではなく利他的なことにやりがいを感じる人も多くなってきているのである。

このような傾向のなか、一緒に仕事をする私たちもコミュニケーションや仕事のあり方やモチベーションの維持などを考えていかなければならない。好きな仕事や面白い仕事の定義が変わってきている中で、どのように若い人のモチベーションを上げていくのか。利他的な考えとビジネスは相反することもあるが、どう折り合いをつけるのか。

社会に対する貢献を実際の仕事に盛り込むことはできる時もあるだろうが、実際は難しいことが多いだろう。では、どうしたらよいのか。今も昔も仕事に対するやりがいやモチベーション維持で変わらないものはないのだろうか。私が気をつけているのは、仕事をすることによって、少しでも自分が成長したと感じられるようになってもらうことである。

昨日の自分より1ミリでも成長したと思ってもらえれば今の仕事に対して前向きな姿勢でいてもらえるであろう。その場では成長は感じてもらえないかもしれないが、後から振り返って成長したと思ってもらえればよい。

これは、若い人だけでなく、私自身も私より年配の人にも共通するのではないか。時代によって意識や関心が変わる中、普遍的なことを見つけて、いつの時代でも皆が幸せになるような仕事を作っていくことはできるのである。

[日経産業新聞2021年7月19日付]

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