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10代が支持するアプリ、2年で変化 教育系台頭

読み解き 今コレ!アプリ フラーシニアディレクター 木下大輔氏

NIKKEI MJ

5~10年後の社会のあり方や人々の消費を読み解くヒントとなるのが、スマートフォンネーティブである10代のアプリの利用動向だ。新たな変化の端緒をスマホアプリのデータが捉えた。

フラー(新潟市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」で、2019年5月と21年5月の各月の月間利用者数(MAU)が計測可能な全アプリを対象に、年代別MAU構成で10代の割合が最も高いアプリを抽出。その上で、10代のMAU上位10アプリを調べると、10アプリ中7アプリが入れ替わっていた(対象はアンドロイド)。

データからは従前からある10代のイメージと、コロナウイルスの感染拡大に伴う新しい生活様式の中で変化する10代の姿の両面が見えてくる。

従前のイメージと大きく変わっていないのは、自身で収入を得る手段が限られるなか、コスパを重視する10代の姿だ。例えば、学生向けに月額480円の定額料金を設定する音楽アプリの「LINE MUSIC」が21年5月で3位に入った。

一方、10代が大きく変化する様子を端的に示しているのが、ゲームアプリだ。19年5月のMAU上位10アプリには「クラッシュ・ロワイヤル」や「荒野行動」などがランクインしていた。しかし、21年5月では、上位10アプリの中にはゲームアプリが入っていない。

19年5月に上位に入ったゲームアプリは21年5月でも10代ユーザーが多数を占めている。しかし、ゲーム以外のカテゴリーのアプリ利用が増え、相対的に順位を下げた形だ。10代はスマホでゲームばかりしているというイメージは、間違っていると言わざるをえない。

ゲームアプリに代わって台頭してきたのは、教育系アプリだ。オンライン学習アプリ「Google Classroom」の21年5月の10代MAUは、19年5月に比べ17.4倍となった。

個人の学習を記録する「Studyplus(スタディプラス)」も同様に43.5%増と伸びた。コロナの影響で学校、個人を問わず教育領域でのアプリの需要が急速に高まった結果がはっきりと表れている。

2年前とのアプリの入れ替わりから見えてくるのは、あらゆる分野で加速するスマホのインフラ化だ。10代にとってスマホがもはや単純な暇つぶしではなく、学校の課題提出や自己学習、自己表現やコミュニケーションなど生活になくてはならないツールになっていることを、端的に示していると筆者が見る。

スマホが完全に生活のインフラとなった時代を生きる10代はあと5~10年で成人を迎える。そのことを勘案すると、世の中のあらゆる分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)は不可逆と言える。こうした対応を躊躇(ちゅうちょ)する企業は淘汰されることをデータが物語っていると筆者は感じている。全てのビジネスパーソンはこの変化の分岐点を強く意識すべきだろう。

[日経MJ 2021年7月5日付]

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