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BtoBのマーケティング

SmartTimes ネットイヤーグループ社長 石黒不二代氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

テレビCMを使って宣伝をする製品やサービスのほとんどが消費者向け、つまり、B2Cの商品である。理由は簡単で、テレビをみる視聴者の全員が消費者になりうるから高価な媒体を使う効果があるからだ。一方、B2Bという法人向けの製品やサービスはターゲットとなる利用者が多種多様で、テレビに代表されるマス媒体を使うマーケティング頻度は少ない。

1994年にスタンフォード大学経営大学院を修了、シリコンバレーでコンサルティング会社を起業。2000年から現職。

ところが、マスマーケティングと対極となるデジタルマーケティングでは、B2CもB2Bも同様のデバイスや媒体を用いて行うことができる。ただ、マーケティングセミナーをする時には、視聴者になじみのあるB2Cの事例を使うことが多く、すると、Q&Aタイムになると必ずでてくる。「B2Bはどうやるのか」という質問である。私の答えは、やはり「同じです。さらに、B2Bの方がやり易い」である。

なぜやり易いのかと言うと、デジタルにおいては、B2CよりB2Bの方がIDを認識しやすいからだ。ウェブサイトやアプリケーションでは、ユーザー行動をトラッキングできる。これでAさんがこのウェブサイトでどこを見たかという興味関心データが取得できるわけだが、B2Cの場合に取得できるIDは基本はクッキーという名前がわからないIDであり、Aさんという名前はわからない。

しかし、B2Bの場合は、もともとあるマーケティングプロセスがテレアポなり、セミナーなどを通じて、名刺情報を取得するところから始まっている。名刺情報にはメールアドレスがある。だから、ウェブでログインさえさせれば、個人と紐づけることができる。

お客様であるAさんがウェブのどこを見たか、まで認識できるということだ。つまり、このお客様の状態がマーケティングの初期段階である日常的な情報収集なのか、次のリサーチや企画段階にきているのか、さらに次のライバルの製品やサービスとの比較検討段階なのか、そして、稟議(りんぎ)段階なのか、というマーケティングのステージの認識が容易なのである。

ただ、B2Bで気をつけなければならないことが一つある。意思決定には複数のステークホルダーが関わっているということだ。B2Cでは基本は購買者と購買決定者が同一であるから、一人の人にアタックすればいいのだが、B2Bの場合は、担当者、担当部門長、金額によっては担当役員など、複数のステークホルダーによって意思決定がされる。いわゆる稟議システムだ。面倒なプロセスではあるが、これもAさんがわかっていれば、それほど煩雑な作業ではない。

実は、今、B2Bマーケティングのセミナーをすると、B2Cよりも活況だ。デジタルマーケティングでは、B2Bが意外と簡単にできることが理解され始めているのかもしれない。後は、やるだけ!である。

[日経産業新聞2021年6月21日付]

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