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伊集院静「ミチクサ先生」(368)

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純一への溺愛も一段落し、金之助は『虞美人草』の執筆に専念した。手を休めると書斎の銅花瓶に鏡子が活(い)けた虞美人草をぼんやりと眺めた。

「この花ほど、今回の物語の女性たちは華やかではないかもしれぬ……」

立派な銅花瓶は四月に東京美術学校(現東京芸術大学)で講演した時のお礼に贈って来たものだ。講演の表題は『文芸の哲学的基礎』であった。

この講演は帝国大学英文科の学生だった志賀直哉が聴講し、金之助のやわ...

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