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ダイバーシティ再考

SmartTimes PwCコンサルティングパートナー 野口功一氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

ダイバーシティ&インクルージョンといった価値観を受け入れて仕事や社会生活をすることの大切さは世界的に広がってきている。以前よりは浸透してきたとはいえ、普段の仕事で自分にはあまり関係ないと思っている人もいるだろう。しかし、より身近なところで多様性を考えなければならないこともたくさんある。

性別や国籍、LGBTQなどはもちろんのこと、人の個性や性質も多様性の一部である。日ごろ、どうも自分とは合わない人がいる、仕事はできるけれどもとっつきにくい人がいる、などはよくあることだろう。これもまさに価値観の違いを許容していかなければならない多様性の話だ。しかし、このようなことが起こると、交流を避け、時には排除しようとしてしまうことは少なくない。

スポーツの世界では、国を代表するナショナルチームには、普段は違ったチーム、国で活躍している選手が集められることがある。それぞれの人生も違えば、練習方法や戦術もみんな違うであろう。代表の監督はそういうプレーヤーを一つのベクトルにまとめていかなければならない。

その中には個性の強いプレイヤーがいる。また、斜に構えていたり、コミュニケーションが得意でなかったり、時には問題児と言われるような人だったりすることもあるだろう。

しかし、この人たちはチームにとっては必要である。監督は他のチームメンバーを踏まえた上で折り合いをつけ、同じ目標を共有し、強いチームを作っていく。実際、日本代表チームの監督を務める人々に聞いてみると、そういった人をいかにチームと一体化させるかが腕の見せどころだと言う。まさに多様性のマネジメントである。

個性の強いメンバーと対話をし、彼らが何を目的にしているのか、どんな存在になりたいのか、を見極めながらチームを作っていくという。いわゆる面倒そうな人を排除することは絶対にしないわけである。

なお、ビジネスの世界では故意にチームに個性の強い人物を入れて、新たな動きを作ることもある。既存の組織に波紋を起こすことで、新たなビジネスが始まるということも起こりうる。もちろん不快なことに付き合う必要はないし、努力ではどうにもならないこともあるが、排除ありきにはしないことが大事だ。

チームのため、ビジネスのためにはどうしたらよいかを問いかけ合い、一つの方向に持っていくようにする。これは我慢ではない。もともと人間は一人一人違うので、多様性のある社会というのは昔から当たり前であるし、そこを調整しながら生活してきた。身近なところでお互いを理解し合うことも多様性である。

苦手な人と付き合うのはハードルが高いが、自分のインクルーシブのチャレンジとして取り組んでみてはどうだろうか。

[日経産業新聞2021年6月9日付]

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