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ARで明治の景色を重ねて 熊本城天守閣の修復完成、26日公開

おもてなし 魅せどころ

NIKKEI MJ

2016年に発生した熊本地震から5年。被災した熊本城(熊本市)の天守閣が修復され、26日から内部が一般公開される。城内にはいまだに地震の爪痕が数多く見られるが、県内外に復興をアピールするシンボル的な存在として復旧工事を優先した。担当する熊本市の大西一史市長も「天守閣の堂々とした姿を早く見せたかった」と話す。

26日に内部が一般公開される熊本城天守閣(6日)

大天守は地上6階地下1階、小天守は地上4階地下1階で、階段利用が困難な来場客向けに今回初めて天守閣内にエレベーターを設けた。両方の天守最上階には県産のヒノキ材を使用。外壁のしっくいの、真新しい白色が城下の市街地からもはっきり浮き立ち、復興を印象づけている。

大天守内部は5階をのぞき地階から6階まで、時代ごとのテーマに沿って見学できる。今回の特徴は映像やデジタル技術を活用して、時代の変遷をわかりやすく紹介している展示が多い点だ。

入り口の小天守から続く1階には城を中心にした地形の模型に、築城から巨大な城郭に変わっていく様子や積極的に河川改修してまちづくりをすすめた加藤清正の仕事ぶりがわかる映像を投映。2階では藩主の登城ルートをコンピューターグラフィック(CG)を使って再現した。

専用のアプリをスマートフォンに取り込むと英語や中国語などで展示の解説を音声や字幕で確認できるほか、展望エリアの最上6階にある拡張現実(AR)マーカーをかざすと、現在の景色に、明治5年に撮影された写真を重ねて表示する仕掛けも用意されている。

西南戦争があった1877年に焼失した熊本城の天守閣は1960年に再建されたが、熊本地震では激しい揺れに2度見舞われた。多くの瓦が落下し、天守を支える石垣も崩落した。

再建にあたって、最新技術による耐震補強を施し、安全性を高めている。石垣もできる限り、もとの石を使っているという。

熊本地震直後も訪日外国人を含め多くの観光客が訪れ、19年から一部エリアで見学が可能になった熊本城。新型コロナウイルスの影響で見学エリアは何度か閉鎖されたが、城内に特別な見学通路を設け、20年6月から始めた第2弾公開では県内を中心にこれまで31万人が訪れたという。

熊本城総合事務所の網田龍生所長は「天守閣の完成はひとつの大きな区切りで、熊本地震からの復興も感じてもらいたい」と話す。第3弾公開としてたくましく復活する天守閣は、訪れる人たちに元気を与えてくれるはずだ。

(熊本支局長 石原秀樹)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2021年4月11日付]

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