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スマホゲーム、新興勢が台頭 「ウマ娘」メディアミックス先行

読み解き 今コレ!アプリ フラーシニアディレクター・木下大輔氏

NIKKEI MJ

スマホゲームの売り上げランキングといえば、首位は長期運営タイトルでほぼ固定化しており、変化に乏しいのがここ数年の傾向だった。だがこの半年、これまでの常識を覆すような新たな変化が生じつつある。

グーグルプレイストアの日別ゲームアプリ売り上げランキングで、アプリごとのランキング1位獲得回数を見ると、直近の半年間(2020年9月9日~21年3月8日)に新作としてローンチした3アプリが延べ18回、首位を獲得した。前の半年(20年3月9日~9月8日)は、新作で首位を獲得したゲームアプリは実にゼロだったことから考えると、大きな変化だ。

内訳は中国のゲーム会社が手がけるロールプレイング系の「原神」が8回、Cygamesが手がける育成シミュレーション系の「ウマ娘プリティーダービー」が8回、アニプレックスとウォルト・ディズニー・ジャパンが手がけるリズムバトル系の「ディズニーツイステッドワンダーランド」が2回。特に21年2月下旬にリリースした「ウマ娘 プリティーダービー」は3月1日から8日連続で首位となっている。

ウマ娘は約2年、リリースを延期している。その間に同タイトルのアニメを2シーズンに渡って放映するなどメディアミックスが先行したことで、ゲームローンチまでに分厚いファン層が形成され、人気が爆発した形だ。メディアミックスが奏功する姿は、今もなおトップゲームアプリに君臨する「Fate/Grand Order」を彷彿とさせる。

フラーが手がけるアプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」によると、21年2月のアンドロイドのゲームカテゴリーMAU上位200アプリの合計MAUは前年同月比19.8%減となった。上位20アプリに絞ると24.0%減とさらに下げ幅は拡大する。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛やインドア志向の高まりは、電車などによる通勤・通学といった"すきま時間"を削る一方、屋内での可処分時間の奪い合いを引き起こした。その結果、スマホゲームという選択肢だけではなく、多様なアプリ利用に可処分時間が仕向けられ、相対的にゲームの利用が減ったと筆者は見る。

見方を変えると上位層のスマホゲームのMAUが減少した結果、人気のキャラクターなどに必ずしも頼らない新興ゲームが首位を勝ち取るチャンスが広がった形でもある。

売り上げランキングで首位を取ることは、必ずしもスマホゲームの事業としての成否を決めるものではない。確実に課金をする息の長いロイヤルユーザーを囲い込むことが長期運営に取って重要でもあるからだ。一方で、ゲームを実際にプレイするユーザーやゲームのコミュニティーにとっては、大きな盛り上がりにつながることも事実だ。

レッドオーシャンと長年言われ続けてきたゲームアプリの世界は、コロナの影響が長期化する中でいよいよ大きな変化の時を迎えているのかもしれない。2021年のゲームアプリのパワーバランスがどうなっていくのか、今後も目が離せない。

[日経MJ2021年3月17日付]

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