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コロナで伸びた教育カテゴリー 学習の進捗管理などでも活用

読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApeLab編集長・日影耕造氏

NIKKEI MJ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が全国の小中高校に臨時の一斉休校を要請した日から1年ほどが経過した。ウィズコロナの新しい生活様式がもたらした変化は、教育アプリの利用動向にもにじみ出る。

フラー(新潟市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」によると、新型コロナの影響が顕在化した2020年2月から21年1月までの教育カテゴリーの月間利用者数(MAU)上位50アプリの延べMAUは約9374万人で、前年同期(19年2月~20年1月)に比べ15.5%増加した(対象はアンドロイド)。コロナの感染拡大が教育分野におけるアプリ・デジタルシフトを加速させた格好だ。

各月の合計MAUの推移を見ると、1回目の緊急事態宣言下の20年5月に過去最多の887万人(前年同月比29.4%増)を記録した。20年6月以降はやや落ち着いたものの、大きく落とすことなく高水準を維持。政府が2回目の緊急事態宣言を発令した21年1月には再び上昇に転じた。

年度の始まりでアプリを導入したユーザーがそのまま利用を継続しているのに加えて、緊急事態宣言に伴う巣ごもり・インドア志向の高まりと、アプリ利用が連動している様子がうかがえる。

21年1月の教育カテゴリーのMAU上位50アプリの顔ぶれを見ると、MAUが最多なのはグーグルが手がける「グーグルクラスルーム」。前年同月比6.2倍と増加幅も最も大きい。ベネッセホールディングスソフトバンクの合弁会社が手がける「クラッシーホーム」も2倍と急伸している。いずれも学習管理・支援系のアプリだ。オンライン学習の急速な普及に伴い、学びの記録や学習管理を担うアプリの存在感がこの1年で急速に高まっていることが見て取れる。

オンライン授業や自学自習などの学びの機会の確保はもちろんだが、指導者と学習者のコミュニケーションや学習の進捗管理といった、教育にかかわるプラットフォームとしての役割がコロナ以降、より重要になっている証だと筆者は見る。

授業のオンライン化を含むデジタルシフトは、ネットや機材環境の整備というハードルはあるものの、あらゆる状況で教育を提供できる可能性を示している。

少子化が進み、児童や生徒の数が減っていく中でも教育系アプリの利用が増加していることを鑑みると、まだまだ教育におけるアプリ・デジタルシフトは大きな伸び代がある。コロナをきっかけとした不可逆な変化はまだまだ続くだろう。

一方、オンラインに偏った場所にとらわれない学習体験は生のコミュニケーションの喜びが得にくく、孤独感や行き詰まり感を生み出しやすいもろ刃の剣でもある。

新年度を迎える4月以降、多くの教育機関が引き続きアプリやデジタルを活用したオンライン学習を推し進めるのかどうか、データでその姿が明らかになってくだろう。日本の教育分野におけるアプリ・デジタルシフトの岐路を目撃するかもしれない。未来への投資である教育の変化をデータから注視したい。

[日経MJ2021年3月3日付]

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