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縄文の奥深さ、ゆるキャラで 山梨県立考古博物館

おもてなし 魅せどころ

NIKKEI MJ

山梨・長野両県にまたがる八ケ岳とその周辺の中部高地には縄文時代の遺跡が多数存在する。矢尻の材料として各地にもたらされた黒曜石の鉱山があり、数々の縄文土器や興味深い土偶も数多く出土している。

「一の沢遺跡」出土の土偶「いっちゃん」は鏡に映る背面にも注目(甲府市の山梨県立考古博物館)

一連の観光資源とストーリーは2018年5月、文化庁から「星降る中部高地の縄文世界―数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅」として日本遺産に認定された。山梨県立考古博物館(甲府市)はその主要施設の1つだ。

山梨県内には縄文時代の重要文化財が6600点余りある。このうち860点の縄文土器や土偶などが同博物館に所蔵されている。常設展示スペースに入ると、大きな縄文土器が目を引く。殿林遺跡(山梨県甲州市)出土の深鉢形土器だ。高さは72センチ。ほぼ割れることなく完全な姿で見つかった重文の1つだ。

考古博物館のキャラクターにもなっている「一の沢遺跡」(同県笛吹市)出土のかわいらしい土偶も人気だ。愛称は「いっちゃん」。

同館は展示ばかりでなく、予約制で火起こしや勾玉(まがたま)づくり、イベントで土器や土偶作りなどの体験を充実させてきた。1982年の開館以来、来場者は163万人を超え、多い年で6万人の来場がある。

新型コロナウイルスの拡大後は感染対策を徹底する一方、春に緊急事態宣言が出された際は自宅から楽しんでもらおうと、博物館のサイトに「おうちde考古博物館」のコーナーを作り、疫病対策などにスポットを当てて考古資料を紹介した。併せて、普段見ることのできない重要文化財の土器の修復作業を撮影した映像も公開した。

例年は秋に甲府駅前広場で県内の博物館や資料館が協力して「縄文フェス」を開く。今年度は考古博物館に縄文好きの著名人らを招き、「縄文人の一生」をテーマにゲーム形式で知識を学んでもらう予定という。3月7日夕方にユーチューブでライブ配信する。

ただ「本当は実物の縄文土器や土偶を見てもらいたい。雰囲気や迫力、奥行きは生でないと分からない」と考古博物館学芸員の一之瀬敬一さん。山梨・長野両県の博物館などは、注目の土偶に出会う「三十三番土偶札所巡り」の企画で連携している。その1番札所が考古博物館の「いっちゃん」だ。「コロナが落ち着いたら札所巡りの御朱印帳を手に、ゆっくり回ってもらいたい」と話した。

(甲府支局長 内藤英明)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2021年2月22日付]

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