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新興が導くインドの成長

SmartTimes BEENEXT ファウンダー・マネージングパートナー 佐藤輝英氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

「高度成長に向けてすべての要素が揃った」。バンク・オブ・アメリカが2021年1月中旬に出したインドのテクノロジー市場に関するリポートのタイトルだ。巨大な人口、モバイルインターネットの急速な普及、豊富な人材、政府の手厚いサポート、海外からのリスクマネー流入、そしてコロナによる急激なデジタルシフト。必要要素がすべて揃い、次の10年で巨大な価値創造が進むという内容だ。

1997年慶応大総合政策学部卒、ソフトバンク入社。2000年ネットプライス(現BEENOS)社長、同社を上場に導く。15年シンガポールを拠点に起業家支援のBEENEXT設立

過去10年近くインドのスタートアップへ投資を続けているが、今まさに足下で急激な地殻変動が起きていることをひしひしと感じる。低価格モバイルと格安4Gコネクションの出現によってインターネットの普及が都市部から地方へ広がり、20年はついに地方でのネットユーザー数が都市部を超えた。零細農家や零細商店もスマホを持つ時代となったのだ。生活からビジネスまで全てのシーンでスマホが欠かせない国になっている。

フリップカートやスナップディールのようなEコマース系はもとより、20年の評価額が100億ドルを超えるデカコーンとなり一躍有名になったByju'sのようなオンライン教育サービスも成長著しい。物流、オンライン決済、ゲーム、SaaSといった分野でも軒並みユニコーンが誕生している。D2Cなどでも次のユニコーン候補が生まれつつある。ちなみにインドでは既にユニコーンは37社、20年だけでも11社誕生している。驚異的なスピードだ。また、近い将来の新規株式公開(IPO)計画をメディアに語る企業も増え、それに呼応する形で証券市場も大型のスタートアップに秋波を送る。コロナ禍で進むデジタル化ニーズの中で、事業の急成長と、急激な収益改善の両方を達成する会社も数多い。今、証券市場は新しい局面に入っていると言えるだろう。

起業家の層も次のサイクルに移行している。最近は2回目の起業を手掛ける連続起業家や起業ノウハウを持つエンジェル投資家が多くなった。また、元フリップカートや元ペイティーエムといったメガスタートアップの成長過程をみてきた元社員達が満を持して自分のスタートアップを立ち上げる例も多い。

そもそもインドのスタートアップ市場への投資意欲が高い状態のままこうした流れが続いたので、コロナ禍にも関わらず20年も(4年連続で)110億ドル以上の投資マネーがインドのスタートアップに供給された。人、カネ、マーケットが一本の線でつながり始めている。今、早期の上場が有望視されるユニコーンは、フリップカート、料理宅配大手のゾマト、保険ネット販売最大手のポリシーバザールといったところだろう。上場に成功すれば次のスタートアップへと波及し、コロナが収束する頃には、全く違う景色が広がっている気がしてならない。

[日経産業新聞2021年2月3日付]

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