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緊急事態宣言中のアプリ利用 伸びた「ドラッグストア系」

読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApeLab編集長 日影耕造氏

NIKKEI MJ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が一部地域で再度の緊急事態宣言を出してからまもなく1カ月。スマートフォンアプリの利用動向をひもとくと、2度目の緊急事態宣言下の人々の生活や行動は、1年前とは明らかに異なっているようだ。

フラー(新潟市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」で記事執筆時点の最新週(21年1月18~24日)の週間利用者数上位200アプリを対象に、21年1月8~29日と前年同月同曜日(20年1月10~31日)の1アプリあたり平均利用者数を1時間ごとに算出し比較。変化を読み解いた(対象はアンドロイド)。

1アプリあたりの平均利用者数を見ると、午前6~8時の利用者数が4~9%減少した一方、午前9時~午後5時は最大で7%増加した。テレワークへの移行で朝の通勤時間帯の利用のピークが緩和した上、日中に仕事をしながらスマホに触れているユーザーが増えているようだ。

20年4~5月の前回の緊急事態宣言時と比べると、朝の通勤通学時間帯のピークが緩和する傾向は、21年の緊急事態宣言中も同様だった。ただ日中の利用者数は20年4~5月のほうが多い傾向が見られた。20年4~5月は若年層の余暇時間が休校で増えたことなどが影響したとみられる。

ではどのようなアプリが使われているのか。21年1月の午前9時~午後5時の平均利用者数の増加率上位50アプリのジャンルを見ると、店舗系のアプリが7アプリと最も多い。店舗系の増加率上位3アプリは「ウエルシアグループアプリ」(前年同月同曜日比で約4倍)、「スギ薬局」(83%増)、「ココカラファイン」(67%増)といずれもドラッグストア系だ。マスクや衛生用品の需要が増えたことが背景にあるのだろう。

「フールー」(56%増)や「ネットフリックス」(47%増)などの動画視聴系(4アプリ)、ゲーム(4アプリ)やコミック(4アプリ)といったエンタメ系も強い。テレワークの隙間時間を使って、自分の時間を楽しむ姿が目に浮かぶ。

飲食店などの時短営業や終電繰り上げの影響を受ける、午後8~11時の平均利用者数の増加率上位50アプリの顔ぶれを見ると、動画視聴系が8アプリ入った。ビデオ会議アプリの「ズーム」(約5.7倍)やチャットアプリ「スラック」(51%増)といったビジネス系アプリも8アプリ入った。スマホを使ってコミュニケーションを取りながら、在宅で仕事をするユーザーが増えている結果だろう。

一連のデータは2度の緊急事態宣言を経て新たな「スタンダード」が生まれ、人々に定着していることを示している。経営者やマーケティングにかかわるビジネスパーソンは、これまで以上に消費者や顧客とのコミュニケーション接点を、データをはじめとするさまざまな情報から捉えていくことが求められる。

緊急事態宣言という非日常が長期化すればするほど、これまでにない人々の生活や行動が生まれてくるだろう。生活者としての肌感覚を大切にしながらも、データを蓄積・注視する責任はいっそう重くなっていくと感じる。

[日経MJ2021年2月3日付]

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