建築家ゆかりの地(8) 香川と山本忠司「瀬戸内海歴史民俗資料館」
建築史家 松隈洋
[有料会員限定]
山本忠司は、一人の建築技師として、香川県の建築文化の育成に大きな足跡を残した建築家である。戦争を挟んで京都で建築を学び、空襲によって市街地の8割を焼失した高松の惨状を前に、郷里香川の戦後復興を担うべく、48年の卒業後、県庁に入庁し、建築技師として働き始める。そして、金子正則知事の下、丹下健三の設計で58年に竣工する県庁舎の建設に担当者として携わっていく。その後、40代の丹下の代表作となる県庁舎の現...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り302文字