建築家ゆかりの地(7) 江津と吉阪隆正「江津市庁舎」
建築史家 松隈洋
[有料会員限定]
1950年から2年間、早稲田大学助教授を休職してル・コルビュジエのパリのアトリエに学び、帰国して母校に戻った吉阪隆正は、自邸やベネチア・ビエンナーレ日本館を手始めに、精力的な設計活動をスタートさせる。そんな彼が58年、縁あって江津市庁舎の設計のために現地を訪れる。
初めての市庁舎の設計に特別な思いを抱いたに違いない。父の赴任先のヨーロッパで長く暮らした幼少期の経験から、西欧諸国の市庁舎が持つ独立と...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り296文字