建築家ゆかりの地(5) 八幡浜と松村正恒「日土小学校」
建築史家 松隈洋
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1913年に愛媛県大洲市に生まれた松村正恒は、2歳で父親と死別し、母親とも離れて里子に出された。その孤独な幼少期の経験がそうさせたのか、第1次世界大戦後の過酷な時代の中で虐げられていた人々や子供たちを救いたいとの思いを抱いて育ったという。上京して武蔵高等工科学校で建築を学ぶ一方、日比谷図書館に通い、児童問題に関心を寄せて、卒業設計は「子供の家」をテーマとする。
35年の卒業後、帝国ホテルを設計し...
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