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モノ消費にもこだわり ブランドよりストーリー

ミレニアルスタイル

NIKKEI MJ

「モノ消費よりコト消費」だったミレニアルズも、コロナ禍で「コト消費」は大幅に制限された。「欲求不満の解消法として、たとえ買わなくとも欲しいものをオンラインサイトのカートに入れる」と、ミレニアルズの消費意欲は「モノ」へ向かうが、ミレニアルズなりのこだわりは見える。

親族から譲り受けた指輪

コロナの猛威で、全身おしゃれにバッチリ決めても人に見てもらえる機会もない。目につくのは、マスクとマスクで隠れない目元、そしてパソコンを打つ手元だけだ。目元と手元のケアやおしゃれに注目が集まる。手元ではネイルケアや指輪を買った人も多かった。

オンライン会議で画面に映る自分の顔を頻繁に見るので、髪形やピアスを変えるとテンションが上がるから年末ピアスをたくさん買った人もいた。ファッションやおしゃれが「モテ」ではなく「自分のため」になった。

20代の中には、メルカリでジュエリーを購入する人もいた。最近は親世代が若いころに大流行し、今は売られていないデザインの、いわゆる「ビンテージ物」や、ティファニーのビーンリングも人気という。

ティファニーだからではない。母や叔母のを見て「かわいいなと思って」というのが面白い。「他の子がしていない昔のデザインを、リーズナブルな価格で手に入れられるのが良い」のだ。

「ジュエリーは気持ちをハッピーにしてくれる。自分でシャネルのピアス8万円、カルティエのネックレス30万円を買った」などハイブランド志向の人もいるが、「全身ユニクロでも、小物だけはこだわりたい。自分らしさをだしたいからビンテージ」(26歳)というのが本心のようだ。

また、「18金のファッションリングをオーダーメードで作った。人気で、1カ月半くらい待った」(27歳)「母や祖母にもらったビンテージは気に入ったものだけまとめてリフォームに出した」(30歳)という声もあった。

調査会社テスティーが2019年に20代男女1096人に実施した消費に関する意識調査では、男性の60.7%、女性の78.6%が「ブランド価値より自分に合ったものが欲しい」と答えた。

TikTokでは、自分の両親が若いころの写真をたくさんアップした動画がバズっている。80年代ファッションの父や母の写真が出てくるだけだが、共感を集めた。「#時を戻そう」「#パパとママ」「#昭和エモい」といったハッシュタグも人気だ。コロナで、家族について思う機会が増えたこともあるだろうが、親が若かった時代に対する温かい眼差しが感じられる。

祖父がしていた指輪を人さし指にはめ、それが外れないように祖母がしていた金の補助指輪をする女性は「高価な結婚・婚約指輪には、あまり価値を感じない」と話す。そんな女性にとって自分の親や先祖は「自分らしさ」の根拠だ。「石をもらって意志を受け継ぐ的な感覚かも。おやじギャグみたいですが」と笑う。

結婚指輪を一日体験彫金教室で手作りする人もいて、金額やブランドという市場価値ではなく、その人にとってのストーリーが重要で、そういったものに関心や愛着が高まるのもまたミレニアルズらしさと言える。

(ブームプランニング代表 中村泰子)

[日経MJ2021年1月22日付]

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