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20年12月、VOD利用が急増 後から視聴、チャンネル争いなし

読み解き 今コレ!アプリ フラーシニアディレクター 木下大輔氏

NIKKEI MJ

2021年1月、一部地域で緊急事態宣言が発令され、年末年始から続けて巣ごもり生活を送っている人が多いのではないだろうか。フラー(新潟市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」で、20年末のVODアプリ利用の大きな増加が確認できた。VODアプリをお供に年末を過ごしているユーザーが19年末と比べかなり増えているのだ。

今回は代表的なVODアプリである「ネットフリックス」「アマゾンプライム・ビデオ」「Hulu(フールー)」「TVer(ティーバー)」を対象に、1日あたり平均利用者数(平均DAU)、月間平均総視聴時間を19年12月、20年12月の2点で比較した。

いずれのVODアプリも、20年12月から20年末にかけてテレビCMが多く放映され、積極的なユーザー獲得に向けた動きがあった。ネットフリックスは20年12月、日本独自のブランドキャンペーン「再生のはじまり」を展開。コンテンツの映像とともに20年を振り返るTVCMや屋外広告を展開した。

各社のキャンペーン効果もあってか、2020年12月の月間の平均DAUは前年同時期と比べ大きく伸びている。ネットフリックスが98%増、アマゾンプライム・ビデオが46%増、フールーが26%増、ティーバーが53%増だった。「たまにみる」ではなく「ほぼ毎日みる」というユーザーが増えていることが大きな特徴としてあらわれている。

いずれのVODアプリも視聴者が増加している中で、特徴的だったのがティーバーだろう。外出自粛の中でテレビ番組の全体的な視聴率と連動して増加傾向にある。VODでよくみられる映画、ドラマコンテンツだけでなく、バラエティーなどのテレビ番組コンテンツもニーズが高まっていることがわかる。

一方、月間平均総視聴時間については、ネットフリックスこそ1割程度増えたが、アマゾンプライム・ビデオ、フールー、ティーバーはそれぞれ減少している。自宅にいることが多く、大画面テレビなどでの視聴の機会が増え、視聴シーンはほとんどテレビというケースが増えていることが理由として考えられると筆者は推測する。会員登録、コンテンツの確認、設定等はスマートフォン、視聴はテレビといった使い分けだ。

視聴時間が増えたネットフリックスについては、アプリの利用者層として若年層の比率が他アプリと比べて高く、テレビを持たない層がスマートフォンで視聴している傾向が現れていると推測する。

年末に家族がテレビの前に集まって視聴するような番組の中にも、一部のVODアプリで後から視聴することが可能になっているものもあるほどだ。

こうなってくると、どのチャンネルをみるのか、争う必要もなくなる。それぞれがそれぞれの画面でコンテンツを視聴する仕組みは、ニューノーマル時代に突入する前から整備されており、20年はそれがより当たり前になっていったことを今回の結果から垣間見ることができた。緊急事態宣言だけでなく、大寒波も襲っている今、VODアプリの視聴者増加は今後も過熱しそうだ。

[日経MJ2021年1月20日付]

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