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ヘルスケアをデジタル化

SmartTimes PwCコンサルティングパートナー 野口功一氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

昨年は新型コロナウイルスによって私たちの生活は様々な面で変化した。その中の1つに「健康」がある。感染による症状や健康被害に加え、感染経路の把握や処置などが関心を集めた。高齢者や基礎疾患のある人は一段と健康に気をつけるようになったであろうし、感染防止のため以前より体調チェックに注意深くなった人も増えただろう。

イノベーションを生み出すための仕組み(プラットフォーム)づくりに従事。海外のスタートアップや大学、NPOとも連携してイノベーションの創出を戦略策定から支援している。

また、コロナ禍での新しい生活様式のなかで通勤や旅行、スポーツの機会が減り、運動不足をどう補うかも考えていかなければならなくなっている。人と会えない、集まれないほか、新しい働き方や生活に対するストレスも課題になっている。食習慣もかなり変わったのではないか。家で食事をする機会が多くなれば健康的になると考えられるが、逆にインスタント食品や簡単な食事で済ませてしまおうとなれば偏食になる可能性もある。睡眠時間にも影響が出る人がいるかもしれない。

こう考えると新しい生活に適応するため無意識のうちに健康被害が起きてしまう可能性も否めない。そうなると企業は従業員の健康への配慮も今まで以上に必要になってくる。在宅勤務一つをとっても、従業員のメンタル面への対応など労務管理の負担や産業医の業務が増えている企業は多いのではないだろうか。健康診断なども躊躇して受けない人も増えているようだ。今後、他の感染症リスクも消えない中、さらなる労務コストがのしかかる可能性もある。

従来、予防医学の必要性が叫ばれ、それが医療費抑制にもつながると言われていたが、より一層「何かが起こる前に手を打っておく」ことが問われている。まさに病気の「シックケア」からリスクが顕在化する前に手を打つ本来の意味での「ヘルスケア」が必要となっている。

ヘルスケアの取り組みで有効なのはデジタル化だ。すでにフィットネスや遠隔医療、ウエアラブル機器による健康データの取得と活用などコロナ前から存在したビジネスがあらためて注目されている。優良なスタートアップも世界中で活躍している。例えば、健康維持のためにIoT機器を使って自分の生体データをリアルタイムで収集。その内容をAIが解析し、日々の行動や食事についてスマートフォン上でアドバイスしてくれるシステムが普及し始めている。行動を促すためコンテンツにゲーム性を持たせたり、ユーザーインターフェースをよりビジュアルにしたりと各社は使いやすさも追求している。

ヘルスケアは今や、医療や製薬などの産業にとどまらず垣根を超えて新しい価値を生み出しつつある。コロナ禍によって高まった健康への関心とデジタル化を融合することで、個人のライフスタイル全般を改善する「ヘルスケア」は今年、どんな進化をみせるのか注目したい。

[日経産業新聞2021年1月4日付]

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