福川伸次(25)事務次官就任
寝耳に水 東芝機械事件 輸出管理に批判 厳重注意処分に
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1986年6月、小長啓一氏の後を継いで通産省の事務次官になった。日米貿易摩擦が最も激しかった時期だ。
まず市場重視型個別協議(MOSS)で合意できなかった半導体の日米交渉が7月に本格化した。対米交渉は黒田真通商産業審議官を中心に関係局長が当たった。
9月に日本の輸出抑制と米国製品の購入という形でいちおう協定が発効した。だが日本では米国製半導体の販売が伸びず、米国で不満が高まった。「アメリカがそこ...

元通産次官の福川伸次さんは戦後の通商産業政策に長く携わりました。高度成長やオイルショック、日米貿易摩擦といった歴史の一場面に日本の政治や官僚機構が何を考え、どう対処したのか詳しく語ります。また自民党の激烈な「40日抗争」、初めての衆参同日選、大平正芳首相の急逝など、大平首相の秘書官として目撃した激動の時代の裏側を明かします。