ベートーヴェン頌(4) ルイ・ダヴィッド「ナポレオンの戴冠式」
文筆家 高野麻衣
[有料会員限定]
全長10メートル近くあるこの作品は、ルーヴル美術館のなかで最も巨大で、迫力ある絵画のひとつだ。題材は、1804年12月にノートル・ダム大聖堂で行われた戴冠式。フランス革命で台頭し、市民を王政から解放したはずのナポレオン・ボナパルトが「王」になった瞬間である。
画家ダヴィッドはパリに生まれ、フランス革命期――ナポレオンの登場から失脚までのフランス画壇に君臨した。おなじように、ベートーヴェンもまた同...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り291文字