福川伸次(14)新日鉄設立構想
反対抑え秘密会談で実現 「大平・田中」の友情 鍋談議に同席
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大平正芳通産大臣がもう一つ努力した案件が、大型合併による新日本製鉄(現・日本製鉄)の誕生である。八幡製鉄の稲山嘉寛社長、富士製鉄の永野重雄社長のこの計画に、内田忠夫氏ら当時の著名な経済学者が大反対のキャンペーンを展開した。
事務当局は「国際競争力の観点から合併を急ぐべきだ」との立場だった。大平大臣は説明を聞いて「これはぜひ推進すべきだ」と考え、公正取引委員会の山田精一委員長と直接交渉に臨むことになった。...
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元通産次官の福川伸次さんは戦後の通商産業政策に長く携わりました。高度成長やオイルショック、日米貿易摩擦といった歴史の一場面に日本の政治や官僚機構が何を考え、どう対処したのか詳しく語ります。また自民党の激烈な「40日抗争」、初めての衆参同日選、大平正芳首相の急逝など、大平首相の秘書官として目撃した激動の時代の裏側を明かします。
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