新・資本主義論 ポール・コリアー著
倫理的な世界への実践説く
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原書のタイトルの邦訳は「資本主義の将来 新たな不安に直面して」。かつてこのようなテーマが流行していたとき、有名なシュンペーターは「科学者」として現在の傾向が長期にわたって持続するならば、資本主義という経済体制にどのような変化が起こり、どのような体制に移行していくかを「客観的」に叙述するのだと言ったものだ。
著者の問題意識はシュンペーターの方法論とは違って、社会民主主義の衰退によって格差の拡大、イデ...
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