福川伸次(9)官僚たちの夏
特振法 金融界は大反対 再提出も廃案 希望の海外勤務へ
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1962年(昭和37年)6月、企業局産業資金課に異動した。当時の局長は佐橋滋氏。前職の重工業局長の時に続き、今度も彼が率いる局で働くことになった。
課長は池田勇人首相が通産大臣当時、秘書官を務めた三宅幸夫氏。この2人は、後に城山三郎の小説「官僚たちの夏」のモデルとなる。通産省が最も燃えていた時代だ。
その折に「特振法騒ぎ」が起きる。特定産業振興臨時措置法の略。企業第一課の両角(もろずみ)良彦課長の...
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元通産次官の福川伸次さんは戦後の通商産業政策に長く携わりました。高度成長やオイルショック、日米貿易摩擦といった歴史の一場面に日本の政治や官僚機構が何を考え、どう対処したのか詳しく語ります。また自民党の激烈な「40日抗争」、初めての衆参同日選、大平正芳首相の急逝など、大平首相の秘書官として目撃した激動の時代の裏側を明かします。