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メルカリ、出品者の負担軽減に力 発送委託・ポストから匿名配送

戦略ネットBiz

NIKKEI MJ

フリマアプリのメルカリが、出品の手間を軽くする取り組みに力を入れている。保管から発送まで物流作業を代行したり、宛先を書かずに郵便ポストから発送したりできるサービスを始めた。出品や発送の手間を嫌っていた潜在的な顧客をさらに取り込む。

アクティアなどとの連携サービスを発表した(7日、東京都内)

「『あとよろ』があって初めてできた連携だ」。7日、アクティア(東京・中央)が運営する家事代行「カジタク」で提供する新プラン「捨てない大掃除」の発表後、メルカリの田面木宏尚上級執行役員はこう語った。掃除代行で出た不用品の扱いで、「メルカリに出品」という選択肢を利用者に提案する。

従来の発送の仕組みだと、一度に大量の商品を出品すると、売れるまで商品が手元に残る上、売れる度にコンビニの窓口などで手続きをする必要があった。8日に始めた新しい配送オプション「あとよろメルカリ便」は、これらの手間を省ける。利用者はメルカリ上で出品後に集荷を依頼し、売れる前の商品を渡すだけで済む。商品は提携先企業の倉庫で最長2カ月まで保管され、メルカリ上で商品が売れると、提携先の従業員が梱包して発送する仕組みだ。

物流企業と連携する仕組みは、スタートアップのオープンロジ(東京・豊島)と構築した。同社は大手を含む約30社と倉庫データを共有、時間や場所によって最適な倉庫を保管先に指定できる。

倉庫を経由して購入者に届けるため、利用料金は通常の配送より高い。上乗せ額はサイズにより異なり最大500円だが、「それでも利用したい人は多い」(同社)。

フリマの売り手は商品の出品、梱包、発送などの作業が必要で買い手に比べて気軽に始めにくい。メルカリでも売りたくても発送方法がわからなかったり、面倒に感じたりして、結局出品に至らないケースが多いという。そこで最近は特に出品側の手間を減らす施策に力を入れている。

11月に日本郵便と始めた「ゆうパケットポスト」もその1つ。専用の箱に印刷したQRコードを読み取ることで、送り状を貼らずに郵便ポストに投函(とうかん)できる。匿名配送はコンビニや郵便局の窓口で対面の手続きが必要だったが、新サービスを使えば、全国15万カ所のポストが無人発送窓口となる。

巣ごもり消費でフリマアプリの取引は活発だ。メルカリの7~9月の流通総額は1706億円と前年同期から34%増えた。国内のフリマサービスでは、楽天が「ラクマ」、ヤフーが「ペイペイフリマ」に力を入れている。楽天とヤフーはフリマ以外に様々なオンラインサービスを手掛け、共通ポイントやキャッシュレス決済を介した両社の「経済圏」の集客力は強力だ。一方追われる立場のメルカリは「先駆者として新しいサービスを先陣を切ってやる」(田面木氏)戦略をとる。

田面木氏は「出品のUX(ユーザー体験)向上はまだまだ足りない。家庭に眠る『たんすの肥やし』を(中古品として)表に出したい」と強調する。メルカリの利用者は伸び続けているが、まだ国内人口のおよそ「7人に1人」。同社が掲げる「循環型社会」の実現には、テクノロジーを活用した新サービスで潜在的な利用者の背中を押す必要がありそうだ。

(伴正春)

[日経MJ2020年12月9日付]

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