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「守礼門」、地元客も歓待 御菓子御殿恩納店(沖縄県恩納村)

おもてなし 魅せどころ

NIKKEI MJ

今年で創業41周年を迎えた御菓子御殿(沖縄県読谷村)の「元祖紅いもタルト」は沖縄を代表する菓子の一つだ。同社は県内3カ所で紅いもタルトの製造ラインを併設した店を構え、観光客に人気が高い。第1号店が2001年に開業した恩納店(同県恩納村)だ。

御菓子御殿恩納店の店舗は首里城の正殿(奥)、門は守礼門(手前)を模している(沖縄県恩納村)

那覇市から車で約1時間。御菓子御殿恩納店は東シナ海を臨むリゾート地にある。店の外観は首里城の正殿、門は守礼門を模しており、歓迎ムードを盛り上げる。

同店は紅いもタルトの製造ラインを併設している。同商品はタルト生地に、紅いものペーストを乗せてオーブンで焼き上げる。ペースト部分の波打つ模様は風に揺れる紅いもの葉をイメージし、食べるとほんのりとした甘みが口に広がる。

来店客はガラス越しに製造ラインを見学できる。事前に申し込めば1グループ最大10人まで担当者に製造工程を説明してもらえる。予約制で親子などで紅いもタルトづくりを有料で体験できるコーナーもある。

同店の裏手にはビーチが広がる。読谷本店や国際通り松尾店(那覇市)も製造ラインを併設するが、沢岻英樹社長は「買い物ついでにビーチも散策できるのが恩納店の魅力」と語る。

神戸市在住の40歳代の女性はリゾートでの休暇のたびに同店を訪れるという。「紅いもタルトに限らずどの菓子もおいしい。年2回は来る」

同店が開業したのは01年6月だ。沖縄では初めての観光工場で、沢岻社長の母、カズ子会長が1996年に「沖縄らしい建物の見学工場をつくりたい」と発案。銀行との融資交渉に苦労しつつも、事業費約12億円をかけて実現した。ピークの16年には年約33万人が来店する観光名所となった。

同社の沖縄ならではの商品開発や施設づくりへの評価は高い。紅いもを使った商品は100種以上あるが、いずれも県産品を100%使用し、読谷村や久米島町など県内140戸以上の契約農家から調達する。

新型コロナウイルスの感染拡大で沖縄を訪れる観光客は急減した。恩納店への来店者も20年は13万人程度に落ち込む見通しだ。政府の「Go To トラベル」の効果もあり、足元の客足は回復しているが、沢岻社長は「観光客に頼りすぎていた」と振り返る。

実は恩納店開業直後も米同時テロが発生し、同じような経験をした。支えになったのは地元客だった。沢岻社長は「もっと地元の人たちに喜んでもらえるようにしたい」と話し、地元の小学生らの工場見学を積極的に受け入れ、店内のレストランでも地元向けメニューを充実させている。読谷村で新たに計画する施設でも観光客と地元客をバランス良く集客する内容にする考えだ。

(那覇支局長 佐藤一之)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2020年11月30日付]

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