小宮山宏(24)英語の大切さ
総長室で個人授業 「3割わかれば」で乗り切る
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とにかく英語には苦労した。助手のころに1年間、米国に留学したとはいえ、それだけで「聞く」と「話す」が身につくものでもない。
研究者として初めて必要性に迫られたのが、大学院の博士課程最後の年だった。京都・宝ケ池にある国際会議場で1972年秋に開催された第1回PACHEC(太平洋化学工学会議)で、研究成果の発表をすることになった。
慌てて化学工学科の仲間4人と英会話の先生を雇うことにした。いわゆるグル...
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三菱総合研究所理事長の小宮山宏さんは2005年から4年間、東大総長を務めました。学問の世界に閉じこもることなく、専門の工学を社会の課題解決に生かそうと奮闘してきた行動派の学者です、化学、医工連携、そして地球環境問題と学際的な探究を続け、大胆な東大改革にも取り組みました。果敢な挑戦を続けたその歩みをたどります。