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マイノリティーが変える

新風シリコンバレー WiLパートナー 小松原威氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 新風シリコンバレー

大統領選挙でジョー・バイデン前副大統領が当選を確実にした。同時に高く注目されたのが、副大統領に就くことになるカマラ・ハリス上院議員だ。女性としても、黒人としても、アジア系としても初めての副大統領になる。ガラスの天井を破った、マイノリティーの代弁者とも言われる。

日立製作所を経て2008年にSAPジャパンに入社。15年よりシリコンバレーにあるSAP Labsに赴任、日本企業の変革・イノベーションを支援。18年2月にスタートアップ支援のWiLのパートナーに。

「最初の女性副大統領だが、最後ではない」という彼女の勝利演説におけるりんとした姿に胸を打たれた人も多いはずだ。近年「Black Lives Matter」の抗議運動の盛り上がり等、マイノリティーへの関心が高まっている。

シリコンバレーは多様性が重んじられる地域だ。米グーグルや米アドビの最高経営責任者(CEO)はインド人であり、スティーブ・ジョブズ氏も移民の息子だ。米アップルのティム・クックCEOは同性愛者であることを公にしている。

私も前職でシリコンバレーで働いていた際、40カ国の国籍の4000人の従業員が働く拠点で、日本人は私一人だったことがある。圧倒的なマイノリティーとして自分の存在意義を示すために必死だったことを今でも思い出す。

一方、シリコンバレーのスタートアップは白人男性優位だと言われる。それに対して、ソフトバンクグループは、非白人が起業した会社に投資する1億ドル規模の「オポチュニティー・グロース・ファンド」を設立した。黒人で同性愛者の女性アーラン・ハミルトン氏は2015年にBackstage Capitalというベンチャーキャピタルを設立し、女性や有色人種などのマイノリティー起業家を支援する。これまで150社以上に投資し、マイノリティーが不当に低く評価される現状を変えようとしている。

多様性に欠けると言われる日本はどうだろうか。会社ではマジョリティーだと言われる男性サラリーマンにとっても、マイノリティーというのは他人事ではない。問いたいのは「自分は会社でマイノリティーだろうか」ということだ。

同僚とは違う経歴、若くして管理職、新しい部門の立ち上げ、早くから副業をしている、どんな小さなことでもいい。自分はマイノリティー(少数派)であると自覚し、自らその道を選んでいるだろうか。

マイノリティーの人々は、新しい道を切り開く人だ。会社の中で自分はマイノリティーだと公言し、喜々としてそのエピソードを話せる人は、他人と違うことを良しとし、逆張りを好み、自分にとっての「ガラスの天井」と戦う人だろう。こうした人達が常識を書き換えていく。

長らくマジョリティーにいた人にとって、マイノリティーという弱い立場に身を置くことは勇気がいる。だが、そこではじめて従来の世界の「普通」を捨てることになり、全く新しい世界観を持つはずだ。安住の地から離れて自分の弱さを知るからこそ、周りの人に対して感謝や思いやりの気持ちが生まれる。私も常にマイノリティーとしての道を歩み、異邦人であり続けたいと思う。

[日経産業新聞2020年11月24日付]

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