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伊集院静「ミチクサ先生」(171)

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寝間の障子戸の間から妻の姿を覗(のぞ)いていた金之助は、気配を察して、妻の隣りに腰掛けた。

「何をごらんになっていたのですか?」

「たぶん、君と同じものさ」

「まあ、旦那さまも、あの月を」

「そうだよ。実に綺麗(きれい)だな、と思ってね」

鏡子は月を見上げた。妻の顔を月明りがまぶしいほど浮かび上がらせた。

すぐそばで見た方がなお美しい顔だった。

「本当に綺麗ですね」

金之助は妻の顔と秋の月を交互に見ながら何...

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