小宮山宏(18)動け!日本
諮問会議で「産業の種」力説 トヨタ・奥田会長へ熱意届く
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2002年の初め、工学部長の任期がもうすぐ終わろうとする頃だったと思う。小泉政権の経済財政諮問会議の事務局から、ひとつの依頼がきた。日本の経済再生ならびに構造改革に大学の力を借りたいという。
よく聞くと、どうやら米マサチューセッツ工科大(MIT)が米復活を目指して作成したリポート「メイド・イン・アメリカ」の日本版をつくってほしいとのことだった。
持論の知の構造化という考え方を具現化する、またとない...
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三菱総合研究所理事長の小宮山宏さんは2005年から4年間、東大総長を務めました。学問の世界に閉じこもることなく、専門の工学を社会の課題解決に生かそうと奮闘してきた行動派の学者です、化学、医工連携、そして地球環境問題と学際的な探究を続け、大胆な東大改革にも取り組みました。果敢な挑戦を続けたその歩みをたどります。