小野寺正(26)「着うた」配信
顧客満足を経営の軸に 若い世代に大受け 定額制導入
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3社統合で発足したKDDIの社長に2001年6月に就任し、経営の旗印に掲げたのが顧客満足の向上だ。
再編で生まれた会社は何かとギクシャクするうえに、当時私は53歳の若輩で、社内に無数の先輩がいた。稲盛和夫最高顧問らの後ろ盾があったとはいえ、非常にやりづらい。だから出身母体や世代、役職に関係なく、誰もが一致団結できる経営の軸が必要と考え、思いついたのがインフラ会社としては珍しい顧客満足のコンセプト...

KDDI相談役の小野寺正さんは東北大学工学部出身のエンジニアで、30代半ばまでは日本電信電話公社(現NTT)でキャリアを重ねました。1980年代半ばに京セラ創業者の稲盛和夫さんに誘われて、第二電電(現KDDI)の旗揚げに参画し、大きく人生が変わりました。通信市場の巨人であるNTTに対抗しようと、90年代後半に通信業界の再編は一気に動き出します。