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メルマガで意外な気づき

SmartTimes iU情報経営イノベーション専門職大学教授 久米信行氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

8月から週刊のメールマガジンを発行することにした。読者投稿が主体の双方向メルマガ「オトナのための学び道楽」だ。期待もせずに始めたが、これが楽しくてたまらない。読者と私にとって、コロナ禍で溜まったストレスを解消し、前向きに生きるべく、気楽な雑談を楽しむ第三の場所になっているのだ。

1963年東京都墨田区生まれ。国産Tシャツメーカー久米繊維工業の三代目(現相談役)。ICTと英語活用で起業を目指すiU情報経営イノベーション専門職大学教授。多摩大学客員教授。明治大学講師

私の仕事は毎週のコラムを書くことに加え、深夜放送のパーソナリティのような役を務めること。真の主役はメルマガに投稿してくれる匿名の読者だ。毎月の「コロナ後に行きたい場所」などのお題回答に加え、「路地裏隠れ名店レッドデータブック」「私だけの絶景〇〇クラブ」などの路上で発見したお宝写真の投稿も受け付けている。普通のお便りやよろず悩み相談のコーナーもある。

きっかけは、メルマガ発行サイト「まぐまぐ」の編集者から届いた有料メルマガ発行打診のメールだ。どうやら拙著を読んで感激してくれたらしい。だが、私は当初乗り気ではなかった。各界のカリスマに信奉者がぶら下がるような一方通行の配信には全く興味が無かったからである。

たしかに20年以上前のネット黎明期に、私は毎日メルマガを発行していた。だからこそ不思議なご縁が広がって今の私があると感謝している。しかし、ブログからSNSへ、即ち写真+短文の直観的で簡便なメディアへと多くの縁者がシフトした。それに合わせ、私の発信の場もSNSが中心になってしまった。新聞、雑誌、書籍を読まない大学の教え子たちを見ても、長文のメルマガを毎週有料で読む読者がイメージできなかったのだ。

だが、編集者があまりに熱心なのでビデオ会議システム「Zoom」で一度だけ会ってみることにした。そして半ば断る口実として、次の条件を出した。まずは、読者投稿主体のメルマガにすること。ビジネスに役立つ自己啓発ではなく、人生を楽しむ道楽をテーマにすること。投稿のお題は「コロナ禍でよかったこと」などポジティブだがSNSでは炎上しがちなテーマにすることの3つだ。これだけ難題を出せば諦めてくれると思ったが、それでも良いと言われ、困惑しながら見切り発車した。

メルマガを始めて驚いた。匿名の人たちからマスコミやSNSでは見られないポジティブな投稿が集まったのだ。コロナ禍で気づきを得て、家族や自分の時間を大切にし始めた人、仕事も人生も再構築している人が多いことに、逆に私が大いに勇気づけられた。路上観察の投稿も、何気ない小さな自然礼賛、レトロマンション、珍看板など多種多様なオタクテーマが集まる。何より嬉しいのは私のイチオシなど読者提案の新コーナーが生まれ、それが盛況になっていること。会員制の道楽メルマガが私のライフワークになりそうで幸せいっぱいだ。

[日経産業新聞2020年10月26日付]

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