出前館に「浜ちゃん」旋風 アンバサダー継続起用の恩恵
読み解き 今コレ!アプリ フラー最高マーケティング責任者・杉山信弘氏

日経MJ
2020/10/21付
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NIKKEI MJ

外出自粛やテレワークによる需要増によって、一気に生活に定着したデリバリーサービス。10月11日、Uber Eatsと並ぶデリバリーサービスの大手、出前館のアプリに"突風"が吹いた。筆者が所属するフラー(千葉県柏市)が手掛けるアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」で、フードデリバリーアプリ「出前館」の10月11日のインストール数、日間利用者数(DAU)が共に驚くほどの伸びを示したのだ。

きっかけはフードデリバリーアプリ「出前館」のテレビCMが、日本テレビのバラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」に取り上げられたことだった。放送があったのは10月11日。アップエイプでこの日のインストール数、DAUを直近30日平均の数値と比較すると、インストール数は7.6倍、DAUは2.5倍まで伸びた。いずれの数値も、単日としては過去最大だったことがわかっている。

当日の番組内容は、まさに「出前館祭り」と行った様相だった。人気お笑いコンビ「ダウンタウン」の浜田雅功さんが出演している出前館のテレビCMだが、番組内では同コンビの松本人志さんがテレビCMのものまねをひたすら行うという内容。「出前がすいすい」という特徴的な歌に合わせて何度も「出前館」というキーワードが露出することになり、結果としてインストール・アクティブユーザー共に上昇した格好だ。

出前館は2019年12月に行ったリブランディングに合わせて、浜田雅功さんを同社のCDO(チーフ・出前・オフィサー)に就任させた。継続的に起用し続けていたことが今回の番組での露出に発展し、アプリのインストール増加につながったといえる。

ブランドが芸能人・著名人をテレビCMの中で起用するだけでなく、アンバサダーのような関係で継続的につながりつづけることは、現在ではかなり一般化してきているといえるだろう。

例えば自動車メーカーの日産自動車は、プロテニスプレーヤーの大坂なおみさんをブランドアンバサダーに起用している。テレビCM以外にも様々なイベントで起用しており、企業イメージの向上に寄与している。

また、フィンテック企業のJ.Scoreでは、自身の潜在能力を生かしている人の代表として、モデルや女優として活躍する二階堂ふみさんをブランドアンバサダーとして起用した。IT関連の無形商材に関しては、機能・価格面の以外での差別化が難しいが、アンバサダーを起用することによってイメージ面でも差別化を図るという意図があらわれている。

ブランドイメージの醸成というものは、いうまでもなく一朝一夕でできるものではない。事業の総体や企業のひとつひとつの姿勢によって形作られていく。そこにアンバサダーとして起用する芸能人・著名人のキャラクターがうまくかみ合えば、ブランドイメージに大きな相乗効果をもたらすこともある。浜田雅功さんという強いブランドイメージを得た出前館が、今後どのようにブランド価値向上につなげていくのか、引き続きウオッチしていきたい。

[日経MJ2020年10月21日付]

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