新卒採用とは オンライン、コロナで拡大
きょうのことば
▼新卒採用 日本では企業が特定の時期に卒業予定の学生を選考し、在学中に内定を出す雇用慣行が主流だ。学生は卒業後の4月に一斉に入社する。大学生に対しては3年生の3月に説明会などの広報活動、4年生の6月に面接などの選考を企業が始めるルールを政府が主導している。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年卒業予定の学生の就職活動は翻弄された。多くの学生が情報収集のために参加する合同企業説明会は3月以降、相次ぎ中止となった。政府の緊急事態宣言をうけ、企業も対面での説明会や面接などの選考の中止や延期を余儀なくされた。リクルートキャリアの調査では来春卒業予定で就職を希望する学生のうち内定を得た比率は10月1日時点で88.7%と前年を5.1ポイント下回った。
コロナ禍で広がったのがオンラインによる採用活動だ。シード・プランニング(東京・文京)によると、新卒採用にオンラインを使う企業は58%にのぼり、そのうち9割が20年に導入した。エントリーから最終面接まで全ての選考をオンラインで実施する企業も少なくない。留学経験者など就活に出遅れた学生を取り込もうと年間を通じて採用活動を実施する「通年採用」も広がりつつあり、パナソニックや富士通、日立製作所などが導入している。