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変わる消費や時間の概念

SmartTimes PwCコンサルティングパートナー 野口功一氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

新型コロナウイルスの感染者数は落ち着きを見せていないが、街は人の行き来が増えて少し変わってきている。ある程度の感染リスクを受け入れ、そのリスクを最小化して生活しようという考えの表れと受け止めている。本来、自分の生活は自分で決められるはずだが、今や私たちはアフターコロナやウィズコロナなど新しい生活様式のフレームをはめられた上でどのような社会生活を送るかを考えなければならない。こういった生活様式の縛りは、戦争や災害などの状況下では起きていたが、近年、ここまで世界で同時多発的に起きたことはなかったのではないだろうか。

イノベーションを生み出すための仕組み(プラットフォーム)づくりに従事。海外のスタートアップや大学、NPOとも連携してイノベーションの創出を戦略策定から支援している。

この半年間、様々な未来像が語られてきているが、その内容はマイナス寄りの話が多かった気がしている。私自身もそういった面があったが、この変化を受け入れるため最近少し明るい未来像も考えるようになってきた。

例えばモノの消費。生活様式が内向きになると、人に対してアピールするような、場合によっては見せかけだけの消費が本当に自分にとって必要なのか考えるようになった。欲しいモノから必要なモノへの転換である。食品の場合でも必要以上の美味(おい)しさよりも、最低限の機能や健康志向などがより強く求められていく。このような変化は、当然ながら健康にも環境保護にも良い影響を与えるだろう。他人を必要以上に意識しなくなると、ストレス軽減や自分自身を大事にすることにもつながる。

他人への関与が減ることで時間の使い方も変わってくる。より自分を活(い)かすための時間の使い方だ。スキルアップの勉強や運動など自己投資にかける時間が増え、自分の力が以前より増すスピードが速まるのではないだろうか。経済的な不安は増えるかもしれないが、時間の使い方の自由度が増えることで、副業や起業などのアイデアも出やすくなるはずだ。

人間関係では、対面で会えないことがストレスにはなるであろうが、会えなくなることで逆に人とのつながりを再認識し、新たな友情や関係を育む可能性もある。リアルの世界では集まりにくかった人たちが、オンラインの世界であれば、場所を問わず集まれるということも大きな影響を与えるだろう。大都市への集中から地方への分散が進み地方活性化にも弾みがつく。

そして、最も顕著な変化がデジタル化である。デジタル化が急速に後押しされ、全てが従来よりもスピードアップすることにより、様々な恩恵を受けることができるであろう。今はまだポジティブなことを実感できる状況ではないと思うし、私自身も以前の生活様式が良かったと思うことも多々ある。ただ、まだリスクが残る中で街に人が戻ってきているように、私たちも少しは前向きなマインドを持ってもよいのではないだろうか。

[日経産業新聞2020年10月19日付]

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